こんにちは、納戸工房です!
今回は、お名前.comで取得した独自ドメインをDynamic DNS(DDNS)として利用するための設定に挑戦しました。
お名前.comはDynamic DNS機能を提供していますが、今回はddclientというツールを使うため、お名前.comのDynamic DNSではなく、MyDNS.jpを活用しました。
その手順を詳しくご紹介します!
使用したマシンについては以下の記事を見てください。
OCI(Oracle Cloud Infrastructure)のAlways Freeを使ってUbuntuマシンを入手してみた
お名前.comでドメインを取得
まずは、お名前.comで独自ドメインを取得しました。
- 例として、「example.com」というドメインを購入しました。
お名前.comにはDynamic DNSのサービスもありますが、ddclientはこの機能に対応していません。
そのため、Dynamic DNSの更新先としてMyDNS.jpを選択しました。
ddclientを使ったDynamic DNSの設定
Dynamic DNSの更新には、ddclientというツールを利用します。以下の手順で環境を構築しました。
1. ddclientをインストール
- 使用環境はUbuntu 22.04です。ddclientは標準リポジトリからインストールできます。
sudo apt update sudo apt install ddclient
2. 非公式のddclientを導入
- ddclientの標準版はMyDNS.jpの更新プロトコルに対応していません。有志が作成した非公式版を利用することで、MyDNS.jpとの連携が可能になります。
ここから取得してください。ありがたや~ - 非公式版のddclientを公式版に上書きします:
sudo cp {非公式版ddclientのパス} /usr/sbin/ddclient
3. ddclient.confの位置修正
- 非公式版を導入すると、設定ファイルのパスが変更されるため、以下の手順で修正しました:
sudo mkdir /etc/ddclient sudo ln -s /etc/ddclient.conf /etc/ddclient/
4. MyDNS.jpのネームサーバ設定
- お名前.comで取得したドメインのDNSをMyDNS.jpに変更しました。これにより、MyDNS.jpを通じたIP更新が可能になります。
5. ddclient.confの設定
/etc/ddclient.conf
に以下の内容を記載しました:ssl=no protocol=mydns server=ipv4.mydns.jp use=web, web=checkip.dyndns.org/ web-skip='IP Address' login={mydnsのログインID} password={mydnsのログインパスワード} {お名前.comで取得したドメイン}
動作確認と調整
1. キャッシュの確認と削除
/var/cache/ddclient/ddclient.cache
にはIPアドレスのキャッシュが保存されます。テスト時にはこのファイルを削除しておくと、更新状況を確認しやすくなります:sudo rm /var/cache/ddclient/ddclient.cache
2. IP更新の確認
- ddclientはデフォルトで300秒ごとにIPアドレスをチェックして更新します。
- mydns.jpにアクセスして、IPが更新されているか確認します。以下のようになっていればOKです:
DNS UPDATE : {お名前.comで取得したドメイン名}IPv4 UPDATE : {mydnsのログインID} {IPアドレス} (?), http, la01
- ローカルでは更新された内容は
ddclient.cache
に反映されるので、以下のコマンドで確認できます:cat /var/cache/ddclient/ddclient.cache
3. ddclientを常駐させる
- 更新が成功したら、ddclientを常駐プロセスとして動作させます:
sudo systemctl enable ddclient sudo systemctl start ddclient
まとめ
お名前.comで取得したドメインを使用し、MyDNS.jpとddclientを活用してDynamic DNSを構築しました!
- ポイント
- お名前.comはDynamic DNSに対応しているものの、ddclientには非対応のためMyDNS.jpを使用。
- 非公式のddclientを使用することで、MyDNS.jpの更新が可能に。
- 設定ファイルのパス修正やキャッシュ削除など、細かい作業が必要。
結果として、IPアドレスの更新を自動化でき、快適な環境を構築できました。同じような用途でDynamic DNSの運用を考えている方はぜひ試してみてください。
また、不明点やご意見があればコメントで教えてください!
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