GmailをiPhoneのメッセージで即通知する仕組みを完成させる【設定編】

GmailをiPhoneのメッセージで即通知する仕組みを完成させる【設定編】

前回の【問題発生編】では、iPhoneのメールアプリでGmailを扱う場合にPush通知が使えず、リアルタイムにオートメーションが発火しないという問題に直面しました。

その対策として、筆者はGmailからOutlookメール(Push対応)へ自動転送し、iPhoneのショートカットアプリでそのメール受信をトリガーにiMessage通知を送る構成に切り替えました。

今回はその構成を、完全無料・Mac不要・iPhone単体で完結できる形で設定する方法を具体的に紹介します。


目次

全体の流れ(再掲)

今回のシステム全体の構成は以下のとおりです:

Gmailで特定メール受信
↓(条件フィルタ+転送)
Outlookメールに即転送(Push対応)
↓
iPhoneの「メール」アプリで即受信
↓
オートメーションが発火
↓
iMessageで自分宛に通知

Gmail → Outlook への転送設定

Gmailで転送を有効化

  1. Gmailにログインし、「⚙設定 > すべての設定を表示」を開く

  2. 「メール転送と POP/IMAP」タブを選択

  3. 「転送先アドレスを追加」で自分の Outlook アドレスを入力

  4. Outlook 側に確認メールが届くので、リンクをクリックして認証

Gmailで転送を有効化

転送条件のフィルタを作成

  1. Gmailの「設定 > フィルタとブロック中のアドレス」(メールとPOP/IMAPの左隣)へ

  2. 「新しいフィルタを作成」ボタンを押す

  3. 条件(例:差出人 = notify@timescar.jp、件名に「キャンセル」)を指定

  4. 「この検索条件でフィルタを作成」→「転送する」にチェック

  5. 転送先として、先ほど認証したOutlookアドレスを選択して保存

転送条件のフィルタを作成

✅ ポイント:すべてのメールを転送せず、特定条件だけに絞ることで通知精度が上がります。


OutlookメールをiPhoneに登録

  1. iPhoneの「設定 > メール > アカウント > アカウントを追加」へ

  2. 「Outlook.com」または「Exchange」を選択

  3. Microsoftアカウントでサインイン

  4. 「メール」だけをオンにして登録完了

この設定により、OutlookメールがiOSメールアプリでリアルタイムに受信可能になります。


ショートカットアプリでオートメーション作成

オートメーションを新規作成

  1. 「ショートカット」アプリを開き、「オートメーション」タブへ

  2. 「+」→「個人用オートメーションを作成」

  3. 「メール」を選択

オートメーションを新規作成

トリガー条件を設定

  • 「アカウント」→ Outlook を選択

  • 「差出人」や「件名」で対象メールを絞り込む

  • 右上「次へ」を押す

トリガー条件を設定

アクションに「メッセージを送信」を追加

  1. 「アクションを追加」→「メッセージを送信」

  2. 宛先に自分の電話番号またはApple IDを入力

  3. 通知メッセージの本文を作成(例:「🚗 タイムズカーのキャンセルが出ました」)

アクションに「メッセージを送信」を追加

✅ iMessage送信であれば、メッセージアプリに即時通知されます。

「実行前に尋ねる」をオフにする

  • 実行確認の画面で「実行前に尋ねる」をオフに

  • 「尋ねない」を選択して完了

「実行前に尋ねる」をオフにする


動作テスト

  • Gmailに、条件を満たすテストメールを送信

  • Outlookに即転送されることを確認

  • iPhoneにメッセージ通知が届くかチェック

  • オートメーション履歴で「実行済み」になっているか確認


より実用的に使うための工夫

  • 宛先を複数設定して家族にも通知

  • メール本文を取得して内容に応じた分岐(詳細版オートメーション)

  • 連続実行や重複通知の制御(間隔制限や内容の識別)


まとめ

今回構築した方法は、以下の条件をすべて満たす、非常に実用的な通知システムになっています:

要件 達成度
即時通知(Push) ✅ Outlook経由で実現
iPhoneのみで完結 ✅ Macや外部サービス不要
iMessageに通知が届く ✅ メッセージアプリで受信
無料 ✅ Apple純正機能のみ

もともとは「Gmailで即通知を受けたい」という目的から始まりましたが、メール通知方式の違いを踏まえ、最小限の構成変更で最大限の効果を得る形に着地できました。


おわりに

通知の自動化は、シンプルなようで奥が深い世界です。今回のように「仕様の壁」にぶつかることもありますが、別の視点から構成を見直せば、思いがけずスマートな解決策にたどり着くこともあります。

次回はこの構成の応用例や、通知内容のカスタマイズ、自動停止条件の設定などを深掘りする予定です。

比較&Tips

Posted by 納戸 工房