ASRock Beebox + PT3で構築したミニPC録画サーバの紹介


2016年10月、個人的な流行だったCentOS7を使って録画サーバを構築しました。しかし、2024年6月末でCentOS7のセキュリティサポートが終了したため、そろそろサーバの引っ越しを考えています。その前に、当時の録画サーバの構成を紹介しようと思います。PT3を搭載した録画サーバとしては、世界最小と自負してます。
ハードウェア構成
録画サーバは、ASRock Beeboxをベースに、以下の構成で作成しました。
パーツ | 品名 | 価格(当時) |
---|---|---|
ミニPC | ASRock Beebox | 約18,000円 |
ストレージ | mSATA 256GB | 約8,000円 |
PCIe変換 | miniPCIe to PCI-e ライザーカード | 約2,500円 |
チューナー | PT3 | 約13,000円 |
B-CASリーダー | SCR3310-NTTCom | 約2,000円 |
その他 | 同軸ケーブル・分配器 | 約1,000円 |
BeeboxはM.2スロットを持たず、miniPCIeスロットとmSATAスロットを1つずつ搭載していました。初期状態では、miniPCIeスロットに無線LANアダプタが搭載され、mSATAスロットは空いていました。
カスタマイズ
- 無線LANアダプタを取り外し、miniPCIeスロットにライザーカードを接続。
- ライザーカード経由でPT3を接続。
- OS(CentOS7)はmSATAにインストール。
- PT3をむき出しにせず、TAKACHIのMBシリーズのアルミケースに封入。
- 録画データ保存用にUSB3.0接続の12TB HDDを追加。
無線LANは使用できなくなりましたが、有線LAN運用のため問題ありませんでした。
PT3もminiPCIeから供給される3.3Vのみで
録画とエンコード
録画データはTS形式で外付けHDDに保存していましたが、HDD容量が不足しがちだったため、途中からffmpegでH.264(MP4)に変換するようにしました。ただし、CPUがIntel Celeron J3160のため、ソフトウェアエンコードは非常に遅く、ハードウェアエンコードも試みましたが、うまく動作しませんでした。
問題点
この録画サーバにはいくつかの課題がありました。
- 停電時に停止する
- 一時期、約5,000円の安価なUPSを使用していましたが、3年ほどで内蔵の鉛蓄電池が劣化し、運用を断念。
- エンコード速度が遅い
- 省電力CPU(Celeron J3160)が非力で、エンコードに時間がかかる。
- ハードウェアエンコードを試すも、うまく機能せず。
- CentOS7のサポート終了
- 2024年6月でサポート切れとなり、セキュリティリスクがある。
引っ越し計画
これらの問題を解決するため、新しい録画サーバはノートPCを活用する予定です。
- 構成案
- ノートPCのM.2スロット(WiFi用)にライザーカードを挟み、PT3を接続。
- 12TB HDDをUSB接続(内蔵できれば理想だが難しい)。
- ノートPCならバッテリーをUPS代わりにできるため、停電時のリスクが低減。
より効率的で安定した録画環境を目指し、今後の移行作業を進めていきます。