WSL2 Ubuntu 22.04.4 LTS 上で pcb2gcodeGUI のインストール手順

WSL2 Ubuntu 22.04.4 LTS 上で pcb2gcodeGUI のインストール手順

このブログでは、WSL2上のUbuntu 22.04.4 LTS環境に pcb2gcodeGUI をインストールする手順を解説します。pcb2gcodeGUIはPCBのデータからGコードを生成する便利なツールですが、使用するためには基盤となる pcb2gcode と gerbv のビルドが必要になります。以下に、その手順を詳しく説明します。


目次

pcb2gcodeGUI の前提条件

pcb2gcodeGUI を利用するためには、以下のコンポーネントが必要です。

  • pcb2gcode

    • apt でインストールするとバージョン 1.1.4 が入りますが、推奨バージョンは 1.3.2 以上のため、ソースからビルドする必要があります。
      pcb2gcode Warning!

  • gerbv

    • pcb2gcodeが依存しており、バージョン 2.1.0 以上が必要です。apt では最新バージョンが提供されていないため、こちらもソースからビルドします。
      2.1.0以上のバージョンがインストールされていないと./configure時に以下のエラーが出ます。

      checking for libgerbv >= 2.1.0... no
      configure: error: Package requirements (libgerbv >= 2.1.0) were not met:
      
      Requested 'libgerbv >= 2.1.0' but version of libgerbv is
      
      Consider adjusting the PKG_CONFIG_PATH environment variable if you
      installed software in a non-standard prefix.
      
      Alternatively, you may set the environment variables gerbv_CFLAGS
      and gerbv_LIBS to avoid the need to call pkg-config.
      See the pkg-config man page for more details.
    • 現在の最新バージョンは v2.10.0 です。


gerbv のインストール

まず、gerbv をビルド・インストールします。以下の手順に沿って進めます。

sudo apt install build-essential automake autoconf autoconf-archive libtool libboost-program-options-dev libgtkmm-2.4-dev gerbv git librsvg2-dev
git clone https://github.com/gerbv/gerbv.git
cd gerbv
git checkout -b v2.10.0 v2.10.0
autoreconf -f -v -i
./configure --disable-update-desktop-database
make
sudo make install

pcb2gcode のインストール

次に、pcb2gcode の最新版をソースからビルドしてインストールします。

git clone https://github.com/pcb2gcode/pcb2gcode.git
cd pcb2gcode
git checkout -b v2.5.0 v2.5.0
autoreconf -f -v -i
./configure
make
sudo make instlal

pcb2gcodeGUI のインストール

最後に pcb2gcodeGUI をインストールします。GitHub上のビルド手順に沿って作業しますが、qt5-defaultが提供されていないため、代替パッケージとして qtbase5-dev を使用します。

sudo apt install build-essential git qt5base5-dev libqt5svg5-dev
git clone https://github.com/pcb2gcode/pcb2gcodeGUI.git
cd pcb2gcodeGUI
git checkout -b v1.3.3 v1.3.3
qmake
make
sudo make install

実行結果

pcb2gcodeGUIを実行すると以下のようなウィンドウが表示されます
pcb2gcodeGUI

後は各種設定を行い、Input/outputタブでガーバーファイルやドリルファイルを設定し、Startボタンを押すことでgcodeファイルが作成されます。
WSL2 Ubuntu 22.04.4 LTS 上で pcb2gcodeGUI のインストール手順

 

まとめ

今回の手順では、WSL2 Ubuntu 22.04.4 LTS環境にて pcb2gcodeGUI を利用するために、必要な依存ソフトウェア(gerbvおよびpcb2gcode)のソースビルドとインストール方法を解説しました。apt経由では最新版が提供されていないため、ソースからのビルドが必須となります。これにより、最新の機能と安定性を確保しつつ、PCBデータから高精度なGコードを生成する環境が整います。

各手順を正確に実行することで、WSL2上で効率的にpcb2gcodeGUIを活用できるようになるため、ぜひお試しください。

2025-04-30サーバ&テクノロジ

Posted by 納戸 工房