Windows 11 アップグレード後に出る「脆弱なドライバー」警告を解消する方法

Windows 11 アップグレード後に出る「脆弱なドライバー」警告を解消する方法

Windows 10 から Windows 11 にアップグレードした後、起動時に「このデバイスにドライバーを読み込めません」という警告が表示されるケースがあります。エラーメッセージでは AMDRyzenMasterDriver.sysAsIO.sys といったドライバーが「セキュリティ設定により脆弱と検出され、読み込むことができません」と出て、毎回気になる状態になってしまいます。

このエラーはハードウェアに不具合があるわけではなく、Windows 11 のセキュリティ機能「コア分離(メモリ整合性)」によって古いドライバーがブロックされていることが原因です。


目次

まず現れたのは RyzenMasterDriver.sys の警告

最初に表示されたのは「AMDRyzenMasterDriver.sys」のエラーでした。

RyzenMasterDriver.sysドライバーの読み込みエラー
Ryzen Master をインストールしていなかったにも関わらず、Windows が古いドライバー登録を残しており、読み込みに失敗していたようです。

対処はシンプルで、regeditを管理者権限で起動し、レジストリから以下のキーを削除すると解決しました。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\AMDRyzenMasterDriver

regeditからAMDRyzenMasterDriverの削除



次に出てきた AsIO.sys のエラー

Ryzen Master の問題を解決した後、今度は AsIO.sys のエラーが出るようになりました。

AsIO.sysドライバーの読み込みエラー
これは ASUS マザーボード用ユーティリティ(AI Suite 3 など)が利用するドライバーで、最新版に更新しても古い参照が残っていたのが原因です。

C:\Windows\System32\drivers

には AsIO2.sys / AsIO3.sys が存在しており、これらは実際に AI Suite が利用しています。しかし、レジストリには不要になった AsIO.sys のエントリが残っており、それがエラーを引き起こしていました。

最終的に、以下のキーを削除したところエラーが出なくなりました。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\AsIO

regeditからAsIOの削除

Asusgio2Asusgio3 は現役のドライバーなので残し、不要なものだけ削除するのがポイントです。


ケースファン制御はどうする?

AI Suite 3 は便利ですが、ドライバーが古くセキュリティ機能に引っかかることもあります。もし「ケースファンの制御だけが目的」であれば、BIOS の Q-Fan Control や軽量なサードパーティツール(FanControl など)で代替することも可能です。

一方で、Windows 上でファン制御や監視をまとめて行いたいなら AI Suite を残すのが便利です。


まとめ

  • Windows 11 では「脆弱なドライバー」がブロックされ、不要な登録があると起動時にエラーが出る

  • RyzenMasterDriver.sys → レジストリの不要キー削除で解決

  • AsIO.sys → 古いキー削除で解決(AsIO2 / AsIO3 は残す必要あり)

  • ただし、レジストリ編集は誤って必要なキーを削除するとシステムが起動しなくなるリスクもあるため、必ず事前にバックアップを取ることが重要

エラーが出ると不安になりますが、今回のように「不要なドライバー残骸」が原因である場合は、正しく整理することで解消できるケースがあります。

サーバ&テクノロジ

Posted by 納戸 工房